滅菌管理業務におけるトレーサビリティ白書2026 を公開

滅菌管理業務におけるトレーサビリティ白書2026

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 手術などに用いられる再使用可能医療機器(Reusable Medical Devices:RMD)は、現代医療に欠かすことのできない存在である。これらを安全かつ適切な清浄度で管理することは、質の高い医療提供の基盤であり、滅菌管理業務の重要性はますます高まっている。
 近年、医療を取り巻く環境は厳しさを増しており、経営の健全化に努めるとともに、働き方改革による業務の効率化が強く求められている。その一方で、労働人口の減少に伴う人材不足も大きな懸念材料である。滅菌管理部門においても就業者が減少する中、品質の維持・向上を図りながら、業務負担の軽減や作業の標準化を推進することが喫緊の課題となっている。あわせて、安全性、効率性、経済性の観点から、2019 年の医薬品医療機器等法(薬機法)改正に基づき、GS1 標準コードを活用したトレーサビリティ確保に向けた環境整備が進められている。
 一般社団法人 日本医療機器学会 病院サプライ研究会では、2024 年11 月に「滅菌管理業務におけるトレーサビリティ白書 2024(第1 版)」を発行した。同書では、滅菌管理システムに関連する製品を提供する企業の視点から、機能・費用・普及状況について調査結果を報告した。第2 版となる本書では、システムを実際に導入している、あるいは導入を検討している医療施設を対象に調査を実施した。その結果、101 施設・124 件という大変多くの、かつ現場の生の声として極めて貴重な回答をいただくことができた。ご協力いただいた皆様には、深く感謝申し上げる。
 第1 版および第2 版の発行により、提供者と使用者双方の実装状況やニーズが明らかになった。今後はこれらの知見を基に「スマートCSSD」を実現すべく、システム間連携の支援や各種装置からの稼働データ取得に関する仕様の標準化を検討し、安全で質の高い医療提供体制の基盤構築に取り組んでいく所存である。
 本書を通じて、多くの方々に本邦の滅菌管理システムが抱える諸課題を共有いただき、目指すべき将来像を検討する一助となれば幸いである。

2026年8 月
一般社団法人日本医療機器学会
病院サプライ研究会
委員長 久保田 英雄