滅菌管理部門スタッフのための教育ツール 基礎編

刊行にあたって

 一般社団法人日本医療機器学会 滅菌管理業務検討委員会では、全国の滅菌管理部門で働く人たち、その管理者のみなさんをサポートするための活動を行っています。
2022 年5 月には「医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール」を刊行し、日本全国の滅菌管理部門のみなさんが自施設の業務レベルを評価し、改善のために必要な事項を明らかにできるようにしました。学会ホームページから自由にツールをダウンロードし、ウェブ上で採点できます。このツールは、従来からの個人の力量を評価する滅菌技士・師認定制度、滅菌管理部門の現段階での理想の姿を示すガイドラインと並んで、我が国の滅菌管理業務の質を向上させるために役立つと信じています。
 そして、今回、委員会の刊行物としては第二弾となる「滅菌管理部門スタッフのための教育ツール 基礎編」をお届けします。
 滅菌管理部門で働くために必要な国家資格はなく、そのスタッフのための教育機関もない現状では、新人スタッフはオンザジョブトレーニングで先輩スタッフから業務を学ぶ以外に教育を受ける機会はありません。ガイドラインや評価ツールを使って勉強しようとしても、新人にはなかなか理解はできないでしょう。その一方、人手不足や、そもそも人に教えることの難しさのために、新人の教育が思うように進まないで困っている施設もあることでしょう。「教育」は、この業務の質を担保しさらなる向上を目指すために重要です。本教育ツールは、そのような現場の力になりたいと委員が力を合わせて作成したものです。実際に多くのスタッフを教育・指導してきた委員の知識と経験に基づき、感染の基本から、洗浄・組み立て・滅菌・保管と供給・トレーサビリティに至るまでわかりやすく解説されています。新人のみならず、すべての滅菌管理部門で働くスタッフにも読み応えのある内容となりました。管理者のみなさんにもぜひご一読いただきたいと願っています。
 今後もブラッシュアップを図っていきますが、滅菌管理部門に関わるすべての人たちのお役に立てる教育ツールを刊行できたこと、本委員会の委員長として誇らしく思います。

2023年12月

一般社団法人日本医療機器学会
滅菌管理業務検討委員会
委員長 深柄和彦

基礎編(一括ダウンロード)

教育ツール 基礎編

以下の構成となっています。

・刊行にあたって
・目次
1.微生物と感染症の基礎
2.洗浄Ⅰ
3.洗浄Ⅱ
4.組立Ⅰ 点検とメンテナンス
5.組立Ⅱ 包装
6.滅菌業務の基礎
7.保管・供給
8.トレーサビリティ

教育ツール基礎編

※各章ごとにダウンロードしたい場合は以下からダウンロードしてください。

基礎編(章別ダウンロード)

微生物と感染症の基礎
  • 標準予防策とはなに?
  • 手指衛生
  • 感染経路別予防策
  • 標準予防策はなぜ必要?
  • 洗浄部門の汚染の特徴
  • 個人防護具の役割
  • 防護具の着脱方法
CHAPTER
1
洗浄Ⅰ
  • 洗浄作業時の感染対策
  • 洗浄が必要な理由
  • 水の重要性
  • 洗浄剤の使い方
CHAPTER
2
洗浄Ⅱ
  • 用手洗浄
  • WD(ウォッシャーディスインフェクター)
  • 超音波洗浄
CHAPTER
3
組立Ⅰ 点検とメンテナンス
  • RMD の点検とメンテナンス
CHAPTER
4
組立Ⅱ 包装
  • 医療施設で使用される主な滅菌包装
CHAPTER
5
滅菌業務の基礎
  • 滅菌ってなに?
  • 各滅菌法の特徴と選択
  • 滅菌工程のリリース基準と各種インジケータ
  • 蒸気滅菌について
  • 滅菌の効果を確認・記録保管する
  • 各滅菌物を確認してから保管する
  • 低温滅菌について
CHAPTER
6
保管・供給
  • 保管の種類
  • 保管環境と注意点
  • 保管環境と注意点2
  • 様々な供給方法
  • 払い出しのチェックポイント
  • リコール ~リコールって何?~
  • リコールは一大事
CHAPTER
7
トレーサビリティ
  • 身近な例
  • 医療におけるトレーサビリティ
  • 業務における品質保証のための取り組み事例
  • システムによる管理
CHAPTER
8