日本医療機器学会誌「医療機器学」 最新号(10月号)のお知らせ

医療機器学93巻5号(10月号)は、「{(医療+技術)× マネジメント} DX 医療と技術の融合をマネジメントが支えDXで加速する」をテーマとした第99回日本医療機器学会の演題募集の公告から始まります。大会長である林正晃第一医科(株)代表取締役社長のメッセージの様に、「医療と技術の融合」に「マネジメント」という視点を加えて、医療現場での多くの課題に対して「DX」の取組みを幅広く議論する、という2024年らしいプログラムの下で、例年通り「若手奨励賞」や「優秀発表賞」の選考もございますので、是非多くの演題の応募をお待ちしております。また、第27回病院サプライカンファレンスについても記載されています。

原著、研究速報、使用経験、考案については、今号も幅広いテーマでご投稿頂きました。オゾンガスを用いた除菌装置、ウオッシャーディスインフェクターの予備洗浄工程、医療機器と職員体制が新型コロナウイルス患者受け入れに与える影響、医療従事者の採血支援機器に関するアンケートの分析、非観血的血圧計の腕帯の評価、敗血症へ抗菌薬投与した患者での腎代替療法使用のデータベース研究、在宅人口呼吸器の一回換気量の個体差、パルスオキシメーターの今後の課題、手術器具を介するプリオン病感染予防策、などいずれも新奇性のある興味深い内容です。

特集は医療用・介護用ロボットの現状と将来動向についてです。手術支援ロボットの現状と将来動向、介護ロボットの開発と普及、神戸市介護テクノロジー導入促進プロジェクトや海外事情、医療用・介護用ロボット研究会、手術ロボット開発の規格・ガイダンス文書、など世界に通用する国産の医療用・介護用ロボットの出現が期待される現状において、実際の医療機器開発現場や医療現場で知りたい情報が網羅されていて大変読み応えがあると思います。

 

【日本医療機器学会誌「医療機器学」 Vol. 93,  No.5, 2023 目次】

《原 著》

■オゾンガスを用いた据え置きゲート型除菌装置の実地試験
後藤 章暢・他 P571-P577

■ウォッシャーディスインフェクターの予備洗浄工程の水温が血液汚染物洗浄性に与える影響
中野 結子・他 P578-P584

■病院の医療機器と職員の体制が新型コロナウイルス患者受入れに与える影響
安原 洋・他 P585-P593

■日本の病院で働く医療従事者へのインタビューに基づく採血支援機器の可能性,課題,今後の方向性の分析
松井 健・他 P594-P603

《研究速報》

■Emora® を用いた非観血的血圧計の腕帯に対する点検方法の検討および不良腕帯による血圧測定への影響評価
今田 寛人・他 P604-P613

■敗血症のメロペネムにおける腎代替療法データベースを用いた分析研究
森 信洋・他 P614-P619

《使用経験》

■異なる在宅人工呼吸器における一回換気量の個体差の分析
濱坂 秀一 P620-P625

《考 案》

■新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に活躍したパルスオキシメータ
―誕生の経過と今後の課題―
中島 進・他 P626-P631

《特   集》

〈医療用・介護用ロボットの現状と将来動向〉

■特集のねらい
藤田 雅稔 P632-P633

■手術支援ロボットの現状と将来動向
橋爪 誠 P634-P641

■福祉用具・介護ロボットの開発および普及に関する取り組み
五島 清国 P642-P652

■主に介護系ロボットの現状と将来動向
―神戸市介護テクノロジー導入促進プロジェクトや海外事情などを通して―
保田 淳子 P653-P659

■医療用・介護用ロボット研究会設立の目的と今後
浅野 薫 P660-P665

■手術ロボットの開発・評価に関する規格・ガイダンス文書
鎮西 清行 P666-P673

《報 告》

■手術器具を介するプリオン病二次感染予防策の取り組み
太田 智美・他 P674-P678