理事長の遠足(1) 印旛医科器械歴史資料館

第1回 印西市立印旛医科器械歴史資料館を訪ねて

COVID-19の第6波が終息していた6月のとある日、以前から一度行ってみたかった『印西市立 印旛医科器械歴史資料館』を訪問してきました。

場所は、京成電鉄成田スカイアクセス線「印旛日本医大駅」から徒歩3分、上野駅から45分の距離にあります。

当資料館には、世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術を行った華岡青洲の外科器具をはじめ、大正時代に作られた国産初の顕微鏡や膀胱鏡、昭和初期に使用された陸軍野戦用の移動式消毒器、手術台、そして戦後に開発された国産の麻酔器、人工腎臓、人工心肺装置など、医療機器の歴史を物語る貴重な製品が多く収蔵されています。その数は1,000点を越え、医療機器の専門博物館として世界でも有数の規模を誇っています。

明治以降、先進諸外国に追いつくために先人たちが試行錯誤を繰り返して制作した医療機器の数々には感動します。また、いくつかの展示物は昭和後期まで実際に使用されていた物であり、理事長も研修時代に使っていた人工呼吸器と35年ぶりに再会を果たしました。

当資料館の展示物はテレビや映画の撮影のために有償で貸出されていますので、皆さんもどこかで見ているのかもしれませんね。

当資料館が開設されるきっかけになったのが昭和50年(1975年)、故・青木利三郎氏(当時、泉工医科工業株式会社・社長)が大会長を務めた第50回日本医科器械学会(現・日本医療機器学会)大会です。青木氏は学会設立50周年記念事業として「医科器械の歴史展」を企画し、自ら日本全国を巡って歴史的価値のある医療機器を収集、また旧家に伝わる江戸時代の医療機器のレプリカを製作するなどして、歴史的価値のある医療機器の数々を一般公開するため青木記念医科器械史料館を開設しました。その後、千葉県印旛郡印旛村(現・印西市)からの誘致を受け、平成19年(2007年)現在の地に開館。以降、市町村合併により印西市立印旛医科器械歴史資料館として現在に至っています。

現在、収蔵されている医療機器は(一財)日本医科器械資料保存協会の所有物であり、本協会が指定管理者となっており、資料館の土地建物は印西市の所有となっています。本学会や会員企業および関係団体が中心となって集めた総額約2億5千万円の寄付金によって設置運営されてきた資料館ですが、現在の運営状況ではあと10年ほどで財団の基金は枯渇します。また、耐震構造でない建築物の老朽化も進んでおり、抜本的な解決が望まれています。

入館料は無料、毎週月・水・金曜日の10時から16時まで開館しています。皆さん、ぜひ一度訪問してみてください。

詳しいお問い合わせは、一般財団法人 日本医科器械資料保存協会

https://ikakikai-hozon.org/preservation/ まで。 

印旛医科器械歴史資料館の紹介動画

ホームページに収録した約300点のデータの中から、収蔵品と資料館のご案内DVD(約40分)もあります。

販売価格

一般社団法人日本医療機器学会会員の方

1枚 1,000円(税込)送料別

一般の方

1枚 2,000円(税込)送料別
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