理事長の遠足(2) ふくしま医療機器開発支援センター

 

第2回 ふくしま医療機器開発支援センターを訪ねて

 

7月のとある日、以前からお誘いをいただいていた『ふくしま医療機器開発支援センター』を訪問してきました。

センターの場所は、JR「郡山駅」から車で10分。東京-郡山は新幹線で約1時間20分ですから、1時間半程度の旅程になります。私は伊丹空港から空路で福島空港へ向かいました。福島空港から郡山まではリムジンバスで約40分です。

当センターは、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援できる国内初の施設として、福島県によって設置されました。約53,000mの敷地に延べ床面積11,529mの2階建てのゆったりとした立派な施設です。センターの運営は、一般財団法人 ふくしま医療機器産業推進機構が指定管理者として行っています。

到着後、ふくしま医療機器産業推進機構の菊地眞理事長から、本機構が福島県復興計画の「医療関連集積プロジェクト」に基づき平成25年5月に設立されたこと、主な業務として医療機器開発への助言、非臨床試験を通じた安全性評価、ビジネスマッチング等事業化支援を一体的に実施することで、福島県の主要産業の一つである医療機器関連産業の振興を通じた東日本大震災からの復興と、国内の医療機器関連産業の振興を通じた国際競争力の強化に取り組まれていることをご説明いただきました。

その後、小林利彰センター長と現地スタッフの皆様に施設の案内をしていただきました。とても素晴らしい施設です! 数々の充実した設備にびっくりしてしまいます。(詳しくは、下記URLからWebで確認してください。)

センターの機能は、①安全性試験、②コンサルティングと情報発信、③人材育成やトレーニング、④マッチング、だそうです。生物学的安全性試験のために、実験用ブタの飼育施設と2室の手術室、それに加えてアンギオ装置を備えたハイブリッド手術室や1.5TのMRIがあります。EMC試験のための10m法に対応した巨大なX線遮蔽機能付の電波暗室、電気試験のためのシールドルーム、環境試験のための恒温恒湿室、防塵試験室、防水試験室などの各種試験機器室がありました。私の理解度をはるかに超えた、RoHS指令対象物質分析や溶出成分分析、残留溶媒分析のための化学分析機器もたくさん並んでおりました。

人材育成とトレーニングのための設備として、手術室にはX線装置、内視鏡装置、超音波凝固切開装置、高周波手術装置、超音波画像診断装置、血管内超音波画像診断装置(IVUS)、ポリグラフなどの高度な機器が取りそろえられ、さらには外部とのテレビ会議システムが備えてありました。手術室以外にも、モニターや輸液装置などを備えた模擬ICUユニット、成人および乳児患者実体シミュレータ、各種(吸引、採血、注射、CVC挿入、挿管、腰椎穿刺、硬膜外穿刺等)のシミュレータを備えた研修室があり、学生や医療従事者向けの研修ができます。ミーティングルームは大きな部屋が1室と小さな部屋が2室あり、可動間仕切りによって、少人数から200名程度までのセミナーに対応ができるそうです。

医療機器分野へ新規参入する企業を手厚くサポートするため、薬事申請などの複雑な手続きを手助けする経験豊富なスタッフが常駐しておられました。マッチング事業として、毎年ビッグパレットふくしまで開催される『メディカルクリエーションふくしま2022』が、今年度も10月27日と28日に開催されるそうです。

日本医療機器学会としては、このように素晴らしいセンターとのコラボレーションを模索していきたいと考えています。学会主催のセンター見学会、メディカルクリエーションふくしまや他のセミナー企画への学会からの講師派遣、会員企業に対する情報配信、各種研究会での利用等、何か実現できたら良いなと思いながら帰途につきました。

詳しいお問い合わせは、一般財団法人 ふくしま医療機器産業推進機構

https://www.fmdipa.jp/ 

まで。 

試験、研修室等の利用相談・受付は

https://fmddsc.jp/contact/

パンフレットのダウンロードは

https://fmddsc.jp/assets/PDF/centre.pdf

『メディカルクリエーションふくしま2022』については

https://fmdipa.jp/mcf/